Craft Garden

1993年生まれのゆとり世代の僕が、アニメや映画、読んだ本の感想や、社会に対する不満などを書いてます。

元書店員の自分が思う地域密着型書店の衰退について

僕は大学1年から今年の3月に大学を卒業するまでの4年間、地域密着型の書店でオープニングスタッフとしてアルバイトをしていました。

本が好きな者としてまさに自分に合ったアルバイトだったのですが、地域密着型の街の本屋が消えていく様を側で見てきた4年間でもありました。

僕のいた店は新店舗だったのですが、同じ系列の他店舗が次々と閉店していきました。4年間で11店舗中6店舗が閉店に追い込まれ、実際に閉店作業の手伝いにも行ったりもしました。


そして去年の6月頃に親会社であった栗田出版が民事再生法の適用を申請したことにより、僕がいた書店は四国の某書店チェーンに事業譲渡を行い、店舗自体はなんとか生き残っていますが、会社は今年の6月に倒産しました。

今後も僕がいた書店と同じように全国にある地域密着型の街の本屋さんは次々と姿を消していくことになるのだろうと思います。
実際に聞いた話だと毎日どこかの店舗が閉店しているとかなんとか。


この地域密着型の書店が衰退していく原因にAmazonなどのネット通販や電子書籍の台頭があるとよく言われていますが、僕はこの2つは大した問題ではないと思っています。


僕が考える主な原因は万引き、そして売れる本しか置いていないことにあるのではないかと思います。


まず万引きに関してですが、本は利益率が低いので1冊でも万引きされると本当に痛いです。小さな書店は特に。僕がいた書店も漫画なんかは本当によく万引きされていました。
また、雑誌は漫画や文庫などとは違ってスリップで在庫管理ができないため、万引きされていたとしてもそれに気づくことがありません。恐らくかなりの数が万引きされていたのではないかと思います。

万引きで店が潰れると言われるくらい本当に書店にとって万引きは痛いです。


そしてもう一つの売れる本しか置いていないという点。
街の本屋さんは基本的に売れ筋の本しか置いていません。漫画も文庫も文芸書も雑誌もです。
出版社が書店に提供するカタログにはA〜Dくらいまでのランクが付いていて、どの本が売れているのかが分かるようになっています。
街の本屋にある本というのは基本的にはA、Bのランクの本ばかりです。
そしてこの配本を決めるのは書店側だけではなく、親会社である問屋が決めていたりもするのです。例えば僕がいた書店では栗田出版がほとんど決めていました。これもかなり深刻な問題なのではないかと思います。

これでは頻繁に書店に通う本好きには退屈で、本好きは自然と紀伊國屋やジュンク堂といった大きな書店に流れていきます。
実際に僕も本を買うときはバイトしていた店ではなく、大きな書店で買っていました。
店に在庫がない本を取り寄せると、問屋に在庫がない場合は出版社に直接取り寄せをしなければならず、かなり時間がかかってしまいますし、これでは大きな書店かネットで買おうとなってしまうのです。

しかしそこまで売れ筋ではない本を中途半端に置いたところでは、ただ在庫を抱えるだけになってしまうので、売れる本しか置けないというのも実際のところだと思います。


しかしこの二つを改善することは正直かなり難しく、もう地域密着型の書店はこのまま淘汰されていく運命のような気がします。

何らかのジャンルに特化した書店を作ったりすればまだ少しはマシな気がしないこともないですが、今更そのようなことをできるような書店はないでしょうし。


僕は紙の本がこの世から消えるとは思いませんし、物流には限界があるため実店舗が姿を消すとは到底思えません。
しかし生き残るのは大きな書店や何かに特化した書店のみで、地域密着型の街の本屋は姿を消していくと思います。

非常に悲しいですが地域密着型の街の本屋はこれからも姿を消し続けていくでしょう…