2017年1発目の劇場での鑑賞作品はKBCシネマにて『ヒトラーの忘れもの』を見てまいりました。
映画 ヒトラーの忘れもの 予告 2016年12月17日 公開
本作のあらすじを公式サイトよりコピペ
1945年5月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマーク。ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、捕虜のドイツ兵たちが駆り出された。セバスチャン、双子のヴェルナーとエルンストらを含む11名は、地雷を扱った経験がほとんどない。彼らを監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は、全員があどけない少年であることに驚くが、初対面の彼らに容赦ない暴力と罵声を浴びせる。
広大な浜辺に這いつくばりながら地雷を見つけ、信管を抜き取る作業は死と背中合わせだった。少年たちは祖国に帰る日を夢見て苛酷な任務に取り組むが、飢えや体調不良に苦しみ、地雷の暴発によってひとりまたひとりと命を落としていく。そんな様子を見て、ナチを激しく憎んでいたラスムスンも、彼らにその罪を償わせることに疑問を抱くようになる。とりわけ純粋な心を持つセバスチャンと打ち解け、二人の間には信頼関係や絆が芽生え始めていた。
やがてラスムスンは、残された任務をやり遂げて帰郷を願う少年たちの切なる思いを叶えてやろうと胸に誓うようになる。しかしその先には思いがけない新たな苦難が待ち受け、ラスムスンは重大な決断を迫られるのだった……。
史実に基づく終始緊張感のある映画
第二次世界大戦中のデンマークの西海岸には連合国軍の上陸を妨害するための200万個の地雷がドイツ軍の手によって埋められていました。
実際に連合国軍が上陸したのはノルマンディー上陸作戦と知られていますように、フランスのノルマンディーから上陸したため、デンマークの海岸には戦後も地雷が残っていたわけです。
その残った地雷を捕虜となったドイツ軍の少年兵に除去させる話。
もちろん捕虜の強制労働はジュネーヴ条約違反です。
しかしこれが戦争に敗れるということなんだろうか...
作中に登場する少年兵達を監督するのはデンマーク軍のラスムン軍曹。
ラスムン軍曹は最初はナチスを憎んでいたために少年兵達に対して暴行を加えたりするんですが、人間の良心とでもいいますか、徐々に少年兵達に地雷除去をさせることに疑問を感じ始め、少年兵をドイツ本国へ帰したいと思うようになるわけです。
一方的にどちらかを断罪する訳ではなく、デンマークとドイツの友好映画のように感じられて良い作品だなと思いました。
ただ本作は終始非常に重苦しい雰囲気につつまれていて、特に地雷を除去するシーンは終始爆発するなよと緊張感のある作品でした。
作品は良いが邦題がめちゃくちゃ
本作の原題はデンマーク語で『Under sandet』(訳:『砂の下で』)、映画祭でのタイトルは『地雷と少年兵』というタイトル。
しかし今回公開された邦題は『ヒトラーの忘れもの』。
僕は映画を見終わったあとに物凄く邦題に違和感を感じたので調べてみたらやはりかという感じ。
『ヒトラーの忘れもの』というタイトルの割には、作中にはヒトラーという単語は一言も出てこない。
別にヒトラーという単語が出なくてもナチスが埋めた地雷ですからまだわからなくもないですが、それにしても本作を見終わったあとのモヤモヤ感。
ただナチスが埋めた地雷というだけでこのタイトルはなんだか変な感じ。
本作をみた感じでは『地雷と少年兵』というタイトルの方がかなりしっくりくる気がしました。
本作に限らず原題からかなり逸脱した邦題はなんとかならないものなんでしょうか...