Craft Garden

1993年生まれのゆとり世代の僕が、アニメや映画、読んだ本の感想や、社会に対する不満などを書いてます。

【書評】『「意識高い系」の研究』/古谷経衡

本書は所謂「意識高い系」と呼ばれる人達とは一体どんな人達なのかを、様々なデータや著者の体験から分析した本です。



リア充≠意識高い系

「リア充」とは一般的には、現実の生活が充実している者のことを指しますが、著者はそのリア充の定義は間違っていると言います。

本書ではリア充とは現在の充実を指すのではなく、社会階層を指すものであると定義しています。

言い換えれば『木皿津キャッアイ』で描かれているような、土地に土着する「ジモティ(先住民・地元民)」と同義とのこと。

そしてスクールカーストにおいては第一階級に所属しているために、他者へのアピール有さない。


一方で「意識高い系」とは土地に土着せずに地方から大都市へ進出し、スクールカーストにおいては中途半端な第二階級に属し、承認経験が乏しいがために必要以上に他者へのアピールを欲する人と定義します。


スクールカーストの問題や人口の流動などを基に分析しての「リア充」と「意識高い系」の再定義は非常に面白く納得しました。

確かに本書の定義でいけば土地に土着するが為に閉鎖的なコミュニティに生きるリア充は他者へアピールする必要がありません。


つまり洒落たカフェで仕事をしている様子や、何かしらのパーティーに参加している自分の写真をSNSにアップし、一見リア充のように見える「意識高い系」は、本当はリア充ではないということです。


その「意識高い系」の人達がなぜそのような行動に走るのかが本書を読めば理解できます。


「意識高い系」の具体例

本書では「意識高い系」の人々の様々な具体例を検証しています。

中でも特に興味深く読ませてもらったのが、「靖国コスプレイヤーと愛国女子」です。

著者同様「意識高い系愛国者もどき」は女子が多いというのも僕も昔から感じていたところがあったからです。

僕は現在23歳ですが、10代の頃から日本軍の飛行機や艦船が好きだったため、保守的な考えが好きで、保守の論壇の方々から学ぼうと講演会や勉強会に通ったりしていました。

そこに行くとほとんど中年以上の男性ばかりで女性や若者はほとんどいませんでした。なのでそんな中に飛び込んでいくと女性、若者というだけでチヤホヤされるのです。

僕は結局そういうのが嫌になって、保守派の集会には行かなくなったのですが、他者に承認されたいが為にそういったところから意識高い系の愛国女子や若者が生まれるのだと本書を読んで改めて実感しました。

※もちろん国家観をきちんと持った保守派の女性や若者が多くいることも承知しております。


古谷氏の最高傑作!

これまで古谷氏の本は全て読んできましたが、その全ての著書の中でも本書が最高傑作だと思います(笑)

リア充を心底呪詛している古谷氏だからこそ書ける意識高い系論だと思いました。


古谷氏にはもっと様々な系統の著書をどんどん出してもらいたいです。