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1993年生まれのゆとり世代の僕が、アニメや映画、読んだ本の感想や、社会に対する不満などを書いてます。

【日野皓正ビンタ騒動】体罰は日本の伝統なのか?

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世界的トランペット奏者の日野皓正氏が、ドラムを叩いていた中学生の髪を掴み往復ビンタしたという騒動。

日野氏曰く、中学生とは信頼関係があり本人も感謝していると言っているようで、日野氏を擁護する人も多くいるようです。

僕は体罰は絶対に反対の論者なのですが、体罰容認の方々は「体罰を否定的に捉えているのはここ何十年かだけ」といった体罰は日本の伝統であるかのような発言をよくします。

戸塚ヨットスクールの校長である戸塚宏氏は「日本の歴史が二千年あるとしても、体罰を否定しているのは、最近の三十年間だけで、あとの千九百七十年間は肯定されているのである」と自身の手記に書いています。

しかし体罰は本当に日本の伝統なのでしょうか?

温和な藩校の罰則

江戸時代に諸藩が藩士の子弟を教育するために設立した藩校ではほとんど体罰はなかったと言われいています。

イギリスの社会学者、ロナルド・フィリップ・ドーアの研究によると、江戸時代の藩校での罰というのは、放課後の居残りや掃除、自宅謹慎などが一般的で、体罰というものはほとんどなかったという研究結果を残しています。

罰則を規定しないことを誇りにしている藩もあったようで、江戸時代の藩校では体罰というのはほとんどみられなかったようです。

詳しくはドーアの著書『江戸時代の教育』を読んでいただきたいのですが、この時点ですでに「体罰は日本の伝統」というのは無理があるのではないでしょうか?



体罰を禁止した明治時代の教育令

明治時代というのは体罰肯定派が多い保守派の方々が理想とするような時代ですが、明治時代は決して体罰が肯定されていたわけではありません。

むしろ肯定していたどころか体罰は禁止されていました。

明治12年の教育令第46条に「凡そ学校に於いては、生徒に体罰(殴るあるいは縛するのは類)を加うべからず」と法制上明文化されたのです。

教育学者の江森一郎氏の著書『体罰の社会史』によれば、明治18年~23年の第二次小学校令に至る間のわずかな時期以外は、昭和16年の「国民学校令」までほぼ一貫して体罰は禁止されていたと、多くの資料を基に結論付けています。

体罰は日本の伝統ではない

以上のように江戸時代と明治時代は体罰は一般的なものでありませんでした。

戸塚氏の言う「体罰を否定しているにはここ三十年だけ」というのはまず間違いです。

もちろん江戸時代や明治時代のことなので体罰がどれだけあったのかなどの詳しい統計はありません。

しかし少なくとも肯定はされていなかった。

僕は体罰というのは犯罪だし、思考停止の状態であると考えているため絶対に反対です。

まじめに教育に関して研究されている方々にも失礼だとも思いますし。

そもそも体罰を受けてきたという大人達をみても分かるように、体罰が理想的な教育方法であるとはとても思えませんしね。

とにかくここで言いたいのは体罰は決して日本の伝統ではないよということです。

逆に西洋のは体罰が凄かったと有名ですが。

日本に於ける体罰の歴史を詳しく知りたい方は、先にも紹介した江森一郎氏の『体罰の社会史』を是非お読み下さい。